美郷町(みさとちょう)は島根県邑智郡にある人口4,600人ほどの小さな町です。シフトブレインでは、クリエイティブディレクターの山本とアートディレクターの藤吉、プロジェクトマネジャーの津留・柴野が中心となって、美郷町のブランディングに携わっています。その一環としてこのたび、「みさとと。」というウェブサイトを制作しました。サイト全体のデザインはデザイナーの及川と羅、フロントエンド開発はスタンダードデザインユニットの安田が担当していますが、制作チームには社外のクリエイターが多数参加しているほか、美郷町長と町役場職員の皆さんをはじめとした地元の方々にも全面的にご協力いただいています。

スクロールに応じたアニメーションが目を引くインデックスページは、開発部の西山がモーションデザインとフロントエンド開発を担当しました。イラストレーションはカナダのStudio Tipiによるものです。このページはインパクトのある派手なものにしたいという要望がある一方で、アクセシビリティやパフォーマンスにも配慮する必要がある、という課題がありました。とくにこのサイトは自治体という公共のものであるため、どこまで「振り切った」ものにすべきかについて、制作チーム内でも議論が繰り返されました。その結果として、プロモーションサイトの顔としてふさわしいものが出来上がったと思います。

「みさとと。」のメインコンテンツは、「みさとと物語」と題した一連の読み物です。伝統芸能「神楽」や、「山くじら」ことイノシシ肉などを題材に、美郷町の日常風景を様々な切り口から描いています。社内にもファンの多いウェブメディアHEAPS Magazineの編集チームが、徹底した現地取材をもとに読みごたえのあるコンテンツを作り上げてくれました。記事は今後も順次追加していく予定です。

広告や風景写真を中心に活躍する写真家、西部裕介氏による作品をふんだんに使った「写真で辿る美郷町」も、ぜひご覧いただきたいページです。人々や文化、自然を捉えた美しい写真の数々が、町の魅力を静かに伝えています。これらの写真を町民向けにフリー素材として開放したり、町内で写真展を開催したりといった計画も進行中です。

また「みさとと。」の公開に合わせて、既存の行政サイトや観光サイトなど、町の各種公式コンテンツの入口となる美郷町ホームページも新設しました。災害時の情報提供などの役割を担うということもあり、「みさとと。」とは違ったごくシンプルな構成になっています。

美郷町とのプロジェクトは、現在もさまざまな企画が進行中です。また新たな成果をご報告できることを楽しみにしています。